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3.9.4 逆流防止


【構造・材質基準に係る事項】
1.水が逆流するおそれのある場所においては、下記に示す規定の吐水口空間を確保すること、
 又は逆流防止性能又は負圧破壊性能を有する給水用具を水の逆流を防止することができる適切
 な位置(バキュームブレーカにあっては、水受け容器の越流面の上方 150mm以上の位置)に設
 置すること。(省令第5条第1項)
2.事業活動に伴い、水を汚染するおそれのある有害物質等を取扱う場所に給水する給水装置に
 あっては、受水槽式とすること等により適切な逆流防止のための措置を講じること。(省令第
 5条第2項)

規定の吐水口空間
 1) 呼び径が25mm以下のものについては、次表による。















 

呼び径の区分
 

近接壁から吐水口の中心までの
水平距離 B

越流面から吐水口の中心までの
垂直距離A















 

13mm以下

25mm以上

25mm以上

13mmを超え20mm以下

40mm以上

40mm以上

20mmを超え25mm以下

50mm以上

50mm以上

注 1) 浴槽に給水する場合は、越流面から吐水口の中心までの垂直距離は50mm未満で
   あってはならない。
  2) プール等水面が特に波立ちやすい水槽並びに、事業活動に伴い洗剤又は薬品を
   使う水槽及び容器に給水する場合には、越流面から吐水口の中心までの垂直距離
   は200mm未満であってはならない。
  3) 上記1)及び2)は、給水用具の内部の吐水口空間には適用しない。

 2) 呼び径が25mmを超える場合にあっては、次表による。





























 

区分
                壁からの離れ B

越流面から吐水口の
最下端までの垂直距離 A





























 

近接壁の影響がない場合

1.7d'+5mm以上

近接壁の影響

がある場合









 

近接壁1面の場合



 

3d以下

3dを超え5d以下

5dを超えるもの

3.0d'以上

2.0d'+5mm以上

1.7d'+5mm以上

近接壁2面の場合





 

4d以下

4dを超え6d以下

6dを超え7d以下

7dを超えるもの

3.5d'以上

3.0d'以上

2.0d'+5mm以上

1.7d'+5mm以上

注 1) d:吐水口の内径(mm) d':有効開口の内径(mm)
  2) 吐水口の断面が長方形の場合は長辺をdとする。
  3) 越流面より少しでも高い壁がある場合は近接壁とみなす。
  4) 浴槽に給水する場合は、越流面から吐水口の最下端までの垂直距離は50mm未満
   であってはならない。
  5) プール等水面が特に波立ちやすい水槽並びに事業活動に伴い洗剤又は薬品を使
   う水槽及び容器に給水する場合には、越流面から吐水口の最下端までの垂直距離
   は200mm未満であってはならない。
  6) 上記4)及び5)は、給水用具の内部の吐水口空間には適用しない。
 
(解説)
 給水装置は、通常有圧で給水してしているため外部から水が流入することはないが、断水、漏水等により、逆圧又は負圧が生じた場合、逆サイホン作用等により水が逆流し、当該需要者はもちろん、他の需要者に衛生上の危害を及ぼすおそれがある。このため吐水口を有し、逆流を生じるおそれのある箇所ごとに、i)吐水口空間の確保、ii)逆流防止性能を有する給水用具の設置、又はiii)負圧破壊性能を有する給水用具の設置のいずれかの措置を講じなければならない。
1.吐水口空間
 吐水口空間は、逆流防止のもっとも一般的で確実な手段である。
 受水槽、流し、洗面器、浴槽等に給水する場合は、給水栓の吐水口と水受け容器の越流面との間に必要な吐水口空間を確保する。この吐水口空間は、ボールタップ付きロータンクのように給水用具の内部で確保されていてもよい。
1)吐水口空間とは給水装置の吐水口端から越流面までの垂直距離をいう。
2)越流面とは洗面器等の場合は当該水受け容器の上端をいう。また、水槽等の場合は立取り出しにおいては越流管の上端、横取り出しにおいては越流管の中心をいう。
3)ボールタップの吐水口の切り込み部分の断面積(バルブレバーの断面積を除く。)がシート断面積より大きい場合には、切り込み部分の上端を吐水口の位置とする。
4)確保すべき吐水口空間としては、
(1)呼び径が25mm以下のものは、構造・材質基準に係る事項の規定の吐水口空間1)によること。
(2)呼び径が25mmを超える場合は、構造・材質基準に係る事項の規定の吐水口空間2)によること。
   なお、25mm以下はJIS規格に準拠し、25mm超は日本空気調和・衛生工学会規格に準拠したもの。
 
2.逆流防止措置
 吐水口空間の確保が困難な場合、あるいは給水栓などにホースを取付ける場合、断水、漏水等により給水管内に負圧が発生し、吐水口において逆サイホン作用が生じた際などに逆流が生じることがあるため、逆流を生じるおそれのある吐水口ごとに逆止弁、バキュームブレーカ又は、これらを内部に有する給水用具を設置すること。
 なお、吐水口を有していても、消火用スプリンクラのように逆流のおそれのない場合には、特段の措置を講じる必要はない。
 
3.逆止弁
 逆圧による水の逆流を弁体により防止する給水用具。
1)逆止弁の設置
(1)逆止弁は、設置個所により、水平取付けのみのものや立て取付け可能なものがあり、構造的に損失水頭が大きいものもあることから、適切なものを選定し設置すること。
(2)維持管理に容易な箇所に設置すること。
2)逆止弁の種類
(1)ばね式
   弁体がばねによって弁座を押しつけ、逆止機能を高めた構造である。
 i) 単式逆止弁
 1個の弁体をばねによって弁座に押しつける構造のもので給水管に取り付けて使用する。
 給水管との接続部は、ユニオン形、ユニオン平行おねじ形、テーパめねじ形、テーパおねじ形、平行おねじ形がある。
 ii) 複式逆止弁
 個々に独立して作動する二つの逆止弁が組み込まれ、その弁体は、それぞればねによって弁座に押しつけられているので、二重の安全構造となっているもの。
 給水管との接続部は、ユニオン形がある。
 iii) 二重式逆流防止器
 複式逆止弁と同じ構造であるが、各逆止弁のテストコックによる性能チェック及び作動不良時の逆止弁の交換が、配管に取付けたままできる構造である。
 iv) 中間室大気開放式逆流防止器
 独立して作動する二つの逆止弁があり、その中間には、大気に開放される中間室及び通気弁が設けられている構造である。
 加圧停水状態では二つの逆止弁及び通気弁がともに閉止している。流入側水圧が流出側水圧を上回るとばねが押され、二つの逆止弁が開き通水状態となる。この状態では、中間室の通気弁はそのまま閉止する。逆サイホン作用が生じると二つの逆止弁は、閉止し通気弁が開となり、中間室は大気開放となるため、バキュームブレーカとなる。この状態では、逆止弁から仮に漏れなどが発生しても、水は中間室を通じ通気弁から外部に排水され、流入側に水が漏れる(逆流)ことはない。特に、負圧時においては、逆流を遮断するだけではなく、中間室に空気が流入することにより、管路の一部が大気に開放される構造になっていることが大きな特徴といえる。しかし、通気口は完全に管理され、汚染物が内部に絶対入らないようにしなければならない。
 v) 減圧式逆流防止器
 独立して働く第1逆止弁(ばねの力で通常は「閉」)と第2逆止弁(ばねの力で通常は「閉」)及び漏れ水を自動的に排水する逃し弁をもつ中間室を組み合わせた構造である。
 また、逆流防止だけでなく、逆流圧力が一次側圧力より高くなるような場合は、ダイヤフラムの働きで逃し弁が開き、中間室内の設定圧力に低下するまで排水される。なお第1、第2の両逆止弁が故障しても、逆流防止ができる構造になっている。しかし、構造が複雑であり、機能を良好な状態に確保するための管理が必要である。なお、通気口は完全に管理され、汚染物が内部に絶対入らないようにしなければならない。
 
(2)リフト式
 弁体が弁箱又は蓋に設けられたガイドによって弁座に対し垂直に作動し、弁体の自重で閉止の位置に戻る構造である。また、弁部にばねを組込んだものや球体の弁体のものもある。
 損失水頭が比較的大きいことや水平に設置しなければならないという制約を受けるが、故障などを生じる割合が少ないので湯沸器の上流側に設置する逆止弁として用いられる。
 
(3)スイング式
 弁体がヒンジピンを支点として自重で弁座面に圧着し、通水時に弁体が押し開かれ、逆圧によって自動的に閉止する構造である。
 リフト式に比べ損失水頭が小さく、立て方向の取付けが可能であることから使用範囲が広い。しかし、長期間使用するとスケールなどによる機能低下、及び水撃圧等による異常音の発生があることに留意する必要がある。
 
(4)ダイヤフラム式
 ゴム製のダイヤフラムが流れの方向によりコーンの内側に収縮したとき通水し、密着したとき閉止となる構造である。逆流防止を目的として使用される他、給水装置に生じる水撃作用や給水栓の異常音などの緩和に有効な給水用具としても用いられる。
 
4.バキュームブレーカ
 給水管内に負圧が生じたとき、逆サイホン作用により使用済みの水その他の物質が逆流し水が汚染されることを防止するため、負圧部分へ自動的に空気を取り入れる機能を持つ給水用具。
1)負圧を生じるおそれのあるもの
(1)洗浄弁等
 大便器用洗浄弁を直結して使用する場合、便器が閉塞し、汚水が便器の洗浄孔以上に溜まり、給水管内に負圧が生じ、便器内の汚水が逆流するおそれがある。
(2)ホースを接続使用する水栓等
 機能上又は使用方法により逆流の生じるおそれがある給水用具には、ビデ、ハンドシャワー付水栓(バキュームブレーカ付きのものを除く)、ホースを接続して使用するカップリング付水栓、散水栓、等がある。特に給水栓をホースに接続して使う洗車、池、プールへの給水などは、ホースの使用方法によって給水管内に負圧が生じ、使用済みの水、洗剤等が逆流するおそれがある。
2)種類
 バキュームブレーカは次の種類がある。
(1)圧力式
(2)大気圧式
3)設置場所
 圧力式は給水用具の上流側(常時圧力のかかる配管部分)に、大気圧式は給水用具の最終の止水機構の下流側(常時圧力のかからない配管部分)とし、水受け容器の越流面から150mm以上高い位置に取り付ける。
 
5.水道水を汚染するおそれのある有害物質等を取扱う場所
 化学薬品工場、クリーニング店、写真現像所、めっき工場等水を汚染するおそれのある有毒物等を取り扱う場所に給水する給水装置にあっては、一般家庭等よりも厳しい逆流防止措置を講じる必要がある。
 このため、最も確実な逆流防止措置として受水槽式とすることを原則とする。なお、確実な逆流防止機能を有する減圧式逆流防止器を設置することも考えられるが、この場合、ごみ等により機能が損なわれないように維持管理を確実に行う必要がある。

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