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2.4 給水管の口径の決定


1.給水管の口径は、各水道事業者が定める配水管の水圧において計画使用水量を供給できる大きさにすること。
2.水理計算に当たっては、計画条件に基づき、損失水頭、管口径、水道メータ口径等を算出すること。
3.水道メータ口径は、計画使用水量に基づき、各水道事業者が使用する水道メータの使用流量基準の範囲内で決定すること。

 

(解説)
 給水管の口径は、各水道事業者の定める配水管の水圧において、計画使用水量を十分に供給できるもので、かつ経済性も考慮した合理的な大きさにすることが必要である。
 口径は、給水用具の立ち上がり高さと計画使用水量に対する総損失水頭を加えたものが、配水管の水圧の水頭以下となるよう計算によって定める。
 ただし、将来の使用水量の増加、配水管の水圧変動等を考慮して、ある程度の余裕水頭を確保しておく必要がある。
 なお、最低作動水圧を必要とする給水用具がある場合は、給水用具の取付部において3〜5m程度の水頭を確保し、また先止め式瞬間湯沸器で給湯管路が長い場合は、給湯水栓やシャワーなどにおいて所要水量を確保できるようにすることが必要である。
 さらに、給水管内の流速は、過大にならないよう配慮することが必要である。(空気調和・衛生工学会では2.0m/s以下としている)。
 口径決定の手順は、まず給水用具の所要水量を設定し、次に同時に使用する給水用具を設定し、管路の各区間に流れる流量を求める。次に口径を仮定し、その口径で給水装置全体の所要水頭が、配水管の水圧以下であるかどうかを確かめ、満たされている場合はそれを求める口径とする。
 水道メータについては、口径ごとに適正使用流量範囲、瞬時使用の許容流量があり、口径決定の大きな要因となる。
 なお、水道メータの型式は多数あり、各水道事業者により使用する型式が異なるため、使用する水道メータの性能を確認すること。

1.損失水頭
 損失水頭には、管の流入、流出口における損失水頭、管の摩擦による損失水頭、水道メータ、給水用具類による損失水頭、管の曲がり、分岐、断面変化による損失水頭等がある。
 これらのうち主なものは、管の摩擦損失水頭、水道メータ及び給水用具類による損失水頭であって、その他のものは計算上省略しても影響は少ない。
1)給水管の摩擦損失水頭
 給水管の摩擦損失水頭の計算は、口径50mm以下の場合はウエストン(Weston)公式により、口径75mm以上の管についてはヘーゼン・ウィリアムス(Hazen・Williams)公式による。
 ・ウエストン公式(口径50mm以下の場合)
   h=(0.0126+(0.01739-0.1087D)/V^0.5)*L/D*V^2/2g
   Q=PI*D^2/4*V
     ここに、h:管の摩擦損失水頭(m)
         V:管内の平均流速(m/sec)
         L:管の長さ(m)
         D:管の口径(m)
         g:重力の加速度(9.8m/sec2)
         Q:流量(m3/sec)
   ウエストン公式による給水管の流量図を示せば、図-2.3.12のとおりである。(略)
 
  ・ヘーゼン・ウィリアムス公式(口径75mm以上の場合)
    h=10.666・C^-1.85・D^-4.87・Q^1.85・L
    V=0.35464・C・D^0.63・I^0.54
    Q=0.27853・C・D^2.63・I^0.54
ここに、I:動水勾配=h/L×1000
    C:流速係数 埋設された管路の流速係数の値は、管内面の粗度と管路中の屈曲、分岐部等の数及び通水年数により異なるが、一般に、新管を使用する設計においては、屈曲部損失などを含んだ管路全体として110、直線部のみの場合は、130が適当である。
 
2) 各種給水用具による損失
 水栓類、水道メータ、管継手部による水量と損失水頭の関係(実験値)を示せば、図-2.4.4(略)のとおりである。
 なお、これらの図に示していない給水用具類の損失水頭は、製造会社の資料などを参考にして決めることが必要となる。
 
3) 各種給水用具類などによる損失水頭の直管換算長
 直管換算長とは、水栓類、水道メータ、管継手部等による損失水頭が、これと同口径の直管の何メートル分の損失水頭に相当するかを直管の長さで表したものをいう。
 各種給水用具の標準使用水量に対応する直管換算長をあらかじめ計算しておけば、これらの損失水頭は管の摩擦損失水頭を求める式から計算できる。
 直管換算長の求め方は次のとおりである。
(1)各種給水用具の標準使用水量に対応する損失水頭(h)を求める。
(2)ウエストン公式流量図から、標準使用流量に対応する動水勾配(I)を求める。
(3)直管換算長(L)は、L=(h/I)×1000 である。
 
2.口径決定計算の方法

  管路において、計画使用水量を流すために必要な口径は、流量公式から計算して求めることもできるが、ここでは、流量図を利用して求める方法について計算例で示す。

 なお、実務上おおよその口径を見出す方法として、給水管の最長部分の長さと配水管の水圧から給水用具の立ち上がり高さを差し引いた水頭(有効水頭)より動水勾配を求め、この値と同時使用率を考慮した計画使用水量を用いてウエストン公式流量図により求める方法もある。

1) 直結式(一般住宅)の口径決定

(1)計算条件
    計算条件を次のとおりとする。
  配水管の水圧  0.2MPa  給水栓数    6栓  給水高さ    7.0m
 
(2)計算手順
 ア 計画使用水量を算出する。
 イ それぞれの区間の口径を仮定する。
 ウ 給水装置の末端から水理計算を行い、各分岐点での所要水頭を求める。
 エ 同じ分岐点からの分岐管路において、それぞれの分岐点での所要水頭を求める。その最大値が、その分岐点での所要水頭になる。
 オ最終的に、その給水装置が配水管から分岐する箇所での所要水頭が、配水管の水頭以下となるよう仮定口径を修正して口径を決定する。
(3)計画使用水量の算出
 計画使用水量は、「表-2.3.1 同時使用率を考慮した給水用具数」と「表-2.3.2 種類別吐水量と対応する給水用具の口径」より算出した
(4)口径の決定
 各区間の口径を次図のように仮定する。
(5)口径決定計算
  <略>
 
2) 直結式(共同住宅)の口径決定
(1)計算条件
   計算条件を次のとおりとする。 
   配水管の水圧    0.2MPa   各戸の給水栓数  5栓
   3DK  6戸            給水高さ     6.0m
 
(2)計画使用水量の算出
 3階末端での計画使用水量は、1)直結式(一般住宅)と同様に行い、2戸目以降は、「2.3.2 計画使用水量の決定 1.1)(2)A戸数から同時使用水量を予測する算定式」により算出した。
 @3階末端での計画使用水量
 A2戸目以降
  戸数から同時使用水量を予測する算定式
     10戸未満  Q=42N^0.33  Q:同時使用水量  N:戸数
     2戸目   Q=42×2^0.33=53L/min
     4戸目   Q=42×4^0.33=66L/min
     6戸目   Q=42×6^0.33=76L/min
(3)口径の決定
    各区間の口径を次図のように仮定する。
(4)口径決定計算
   A〜F間の所要水頭3.15m>C〜F間の所要水頭1.42m。よってF点での所要水頭は、3.15mとなる。
   F〜G間の所要水頭3.15m+0.11m=3.26m>E〜G間の所要水頭2.90m。よってG点での所要水頭は、3.26mとなる。
   全所要水頭は、3.26m+11.29m=14.55mとなる。
よって14.55m=1.455kgf/cm2。1.455×0.098MPa=0.143MPa<0.2MPaであるので、仮定どおりの口径で適当である。
 
3) 直結式(多分岐給水装置)の口径決定
(1)計算条件
   計算条件は次のとおりにする。
 
   配水管の水圧  0.2MPa
   各戸の給水栓数 5栓
   給水高さ    2.4m
 
(2)計画使用水量の算出
 1戸当たりの計画使用水量は、1)直結式(一般住宅)と同様に行い、同時使用戸数は、「表-2.3.5 給水戸数と同時使用率」により算出した。
 また、同時使用戸数は、
    4戸× 90/100=3.6戸
   よって、4戸全部を同時に使用するものとする。
(3)口径の仮定
   各区間の口径を次図のように仮定する。
(4)口径決定計算
   A〜G間の所要水頭2.10m<C〜G間の所要水頭3.70m。よってG点の所要水頭は、3.70mとなる。
   G〜H間の所要水頭3.70m+0.14m=3.84m>E〜H間の所要水頭2.03m。よってH点の所要水頭は、3.84mとなる。
   全所要水頭は、3.84m+6.66m=10.50mとなる。
   よって10.50m=1.050kgf/cm2。1.050×0.098MPa=0.103MPa<0.2MPaであるので、仮定どおりの口径で適当である。
4) 受水槽式
(1)計算条件
    計算条件は、次のとおりとする。
 
   集合住宅(マンション)
    2LDK 20戸
    3LDK 30戸
   使用人員
    2LDK 3.5人
    3LDK 4.0人
   使用水量
    200L/人/日
 
   配水管の水圧   0.2MPa
   給水高さ     4.5m
   給水管延長    15m
 
   損失水頭
    止水栓(40mm)0.5mとする
    ボールタップ(40mm)10mとする
    分水栓(40mm)0.8mとする
 
(2)口径決定計算
  @1日計画使用水量  3.5人×20戸×200L/人/日=14,000L/日
             4.0人×30戸×200L/人/日=24,000L/日
             14,000L/日+24,000L/日=38,000L/日
  A受水槽容量     1日計画使用水量の1/2とする。
             38,000L/日÷2=19,000L/日 よって19立方mとする。
  B平均使用水量    1日使用時間を10時間とする。
             38,000L/日÷10=3,800L/h=1.1L/sec
  C仮定口径      水道メータの適正使用流量範囲等を考慮して40mmとする。
  D損失水頭      水道メータ:0.8m(図-2.4.4より)
             止水栓:0.5m
             ボールタップ:10m
             分水栓:0.8m
             給水管:35‰×15m=0.525m(図-2.4.3より)
  E給水高さ      4.5m
  F所要水頭      0.8+0.5+10+0.8+0.525+4.5=17.13m
   よって、17.13m=1.713kgf/cm2。1.713×0.098MPa=0.168MPa<0.2MPaであるので、仮定どおりの口径で適当である。
 
3.直結増圧式給水における口径決定
 直結増圧式給水の場合には、増圧給水設備や取り出し給水管の給水能力が、建物内の使用水量の変動と直接的に影響し合うことから、口径の決定にあたっては、使用実態に沿った同時使用水量を的確に把握する必要がある。
  直結増圧式給水における口径決定の手順は、始めに建物内の同時使用水量を把握し、その水量を給水できる性能を有する増圧給水設備を選定し、さらにその水量に応じた取り出し給水管の口径を決定することとなる。

4.増圧給水設備の吐水圧の設定
  直結増圧式給水は、配水管の水圧では給水できない中高層建物において、末端最高位の給水用具を使用するために必要な圧力を増圧給水設備により補い、これを使用できるようにするものである。
  ここで、増圧給水設備の吐水圧は、末端最高位の給水用具を使用するために必要な圧力を確保できるように設定する。
  すなわち、増圧給水設備の下流側の給水管及び給水用具の圧力損失、末端最高位の給水用具を使用するために必要な圧力、及び増圧給水設備と末端最高位の給水用具との高低差の合計が、増圧給水設備の吐水圧の設定値である。

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